概 要
ごあいさつ
本年度も「徴しの上を鳥が飛ぶ−文学研究科におけるアート・プラクシス人材育成プログラム」を実施することができ、嬉しく思います。今年はその3年目、このテーマでの完成年度ということになります。
「徴し」と「鳥」といういささか意味深な語をタイトルに含めた意図は、1年目のプログラムに示した通り、この時代の様々な制度や規則、約束事や因習などに取り巻かれている私たちの生を何かしら不自由で束縛されたものと捉え、ほかならぬアートを通してみたらいくらかでも解き放つことができるのではないかと考えたからでした。ところが一昨年度末から世界を覆った新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックによって、この一年間は思ってもみなかったような生活を私たちは強いられました。そこでは「徴し」と「鳥」は単に私たちの自由を疎外するものであるばかりではなく、世界のあり方を根底から変えてしまうようなものだったわけです。確かに昨年1年間は自由に仕事ができず、私たちのこのプログラムも本来あるべき「場所性」を失い、オンラインでの開催に重きを置く、その意味では偏ったものになったと思います。
ですがよくよく考えると、その代わりに私たちは一人になる時間をより多く有し、その結果、物事を根本的に考えるまたとない1年になったのではないかと思います。それはすぐには私たちの生活には反映はされないけれども、長い時間をかけてかならず私たちの生活の何かを良い方向に変えて行く力になっていると、肯定的に信じたいと思います。そして何より昨年1年のこのプログラムは、そのような徹底して考える機会を与えてくれたに違いないと考えたいと思います。
今年はこのテーマでの最後の年となります。今年も同様にオンラインでの開催が多くなるかも知れませんが、私たちとアートの繋がりこそが、そのような偏った生活の上を自由に飛ぶ「鳥」のようであり続けることができればと願っています。
文学研究科 永田靖
開催概要
本プログラムでは、演劇、音楽、美術など多岐にわたる芸術の事前・事後双方の扱いを学ぶ「インターウィーヴ」的学習を通して、今日のアート・マネジメント人材に求められる、地域社会や共同体の課題に応じて臨機応変に対応する実践的な「アート・プラクシス」能力を人文学的観点に基づいて養います。本年度は3年目の最終年度であり、受講生自ら企画し、実施する事業をプログラムの核に据えています。
プログラムを広く集中して学習できるように、3つのフェーズを用意します
[フェーズA]レクチャーとディスカッションを行い、アートの基礎知識を学ぶ
[フェーズB]アートやアーティストとの交流による「インターウィーヴ」的学習を行う
[フェーズC]研修成果をもとに2つの「受講生企画」として実施し、企画立案、広報、運営、記録等のアートイベントにおける一切を受講生が担い、実践的にアートイベント運営方法を学ぶ
本プログラムは、大阪大学大学院文学研究科が主催し、大阪大学総合学術博物館との共催により、開講いたします。また本プログラムは令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」による助成を受けております。本プログラムは、あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール、大阪中之島美術館、淨るりシアター、吹田市文化会館 メイシアター、豊中市都市活力部魅力文化創造課、兵庫県立尼崎青少年創造劇場 ピッコロシアター、箕面市メイプル文化財団と連携し、大阪アーツカウンシル、大阪市立東洋陶磁美術館、京都コンサートホール(京都市音楽芸術文化振興財団)と協力して行います。
事業実施体制
主 催 | 大阪大学大学院文学研究科 |
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共 催 | 大阪大学総合学術博物館 |
連 携 | あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール 大阪中之島美術館 淨るりシアター 公益財団法人吹田市文化振興事業団(メイシアター) 豊中市都市活力部魅力文化創造課 兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター) 公益財団法人 箕面市メイプル文化財団 |
助 成 | 令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」 |
協 力 | 大阪アーツカウンシル 大阪市立東洋陶磁美術館 京都コンサートホール(公益財団法人 京都市音楽芸術文化振興財団) |
連携機関アドバイザー
尾西 教彰 | 兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター) |
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菅谷 富夫 | 大阪中之島美術館 |
古矢 直樹 | 吹田市文化振興事業団(メイシアター) |
松田 正弘 | 淨るりシアター |
宮地 泰史 | あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール |
西岡 良和 | 豊中市都市活力部魅力文化創造課 |
和田 大資 | 箕面市メイプル文化財団 |
事業担当者
永田 靖 | 大阪大学大学院文学研究科・大阪大学総合学術博物館(事業推進者) |
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伊東 信宏 | 大阪大学大学院文学研究科(事業推進者) |
渡辺 浩司 | 大阪大学大学院文学研究科(事務局) |
橋爪 節也 | 大阪大学総合学術博物館 |
岡田 裕成 | 大阪大学大学院文学研究科 |
高安 啓介 | 大阪大学大学院文学研究科 |
古後奈緒子 | 大阪大学大学院文学研究科 |
鈴木 聖子 | 大阪大学大学院文学研究科 |
伊藤 謙 | 大阪大学総合学術博物館 |
横田 洋 | 大阪大学総合学術博物館・大阪大学大学院文学研究科 |
山﨑 達哉 | 大阪大学大学院文学研究科(事務局) |
デザイン
濱村 和恵 |
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