大阪大学大学院文学研究科では引き続き、アートマネジメント人材育成講座「徴しの上を鳥が飛ぶⅢ-文学研究科におけるアート・プラクシス人材育成プログラム」を開催いたします。 過去2年同様に人文学の観点を重視した文化芸術の企画運営の方法を学ぶ受講生を募集します。
本年度は新型コロナウイルスの影響次第によっては、予定しているプログラムの中止または変更、あるいは多くはオンラインによるリモート実施となることが考えられています。どうかその点をご承知おき下さい。
しかしこのような事態に直面した今年こそ、文化芸術のあり方を根本的に考える良い機会でもあります。 例年のように万全な実施は難しいかと思いますが、できる範囲で、感染症とともに生きなくてはならない現代にふさわしい文化芸術を探求できればと思っております。
プログラム内容
本プログラムでは、演劇、音楽、美術など多岐にわたる芸術の事前・事後双方の扱いを学ぶ「インターウィーヴ」的学習を通して、今日のアート・マネジメント人材に求められる、地域社会や共同体の課題に応じて臨機応変に対応する実践的な「アート・プラクシス」能力を人文学的観点に基づいて養います。本年度は3年目の最終年度であり、受講生自ら企画し、実施する事業をプログラムの核に据えています。
※プログラムの日程・内容については、変更、オンライン実施、もしくは中止になる可能性があります。
- [フェーズA]
- レクチャーとディスカッションを行い、アートの基礎知識を学ぶ
- [フェーズB]
- アートやアーティストとの交流による「インターウィーヴ」的学習を行う
- [フェーズC]
- 研修成果をもとに2つの「受講生企画」を実施し、企画立案、広報、運営、記録等のアートイベントにおける一切を受講生が担い、実践的にアートイベント運営方法を学ぶ
[フェーズA]レクチャー&ディスカッション
活動①〈徴しの上を鳥が飛ぶⅢ〉
オープニング・セミナー
8月1日(日) 〔オンライン〕
アートが社会に成し得る可能性と今日的な意義と問題を学ぶとともに、本事業の理念(「アート・プラクシス」能力のある人材育成と、人文学の研究成果を活かすアートの新たな可能性の探求)を共有します。
活動②空間の生産と場所の詩学
8月29日(日)
様々な空間と関係に特徴づけられる場所の固有性について考えるシンポジウムと参加型のワークショップを行い、人が集まる場所を維持し訪う意義は何なのかについて考える機会とします。
活動⑬〈徴しの上を鳥が飛ぶⅢ〉
クロージング・シンポジウム
令和4年3月5日(土) 〔オンライン〕
1年間のまとめとして、事業全体を振り返るシンポジウムを実施し、本事業の意義や課題等を考察します。
[フェーズB]インターウィーヴ
アート作品や、アーティストとの対話、研究とレクチャー、実践的な制作等を通して、3つのテーマ(対立と調停、アイデンティティの揺れ、物語の領分)について学習します
活動③[対立と調停]パフォーミング・エコロジー
令和4年1月16日
極東退屈道場の林慎一郎による、ツーリング・パフォーマンスによって土地の環境的地層を掘り起こす試みを通して、地域社会の持つ環境の問題を理解します。
活動④[対立と調停]工芸の魅力を伝える
8月21日(土)
陶磁器の貴重なコレクションを有し、工芸美術の意欲的な展示も行う大阪市立東洋陶磁美術館のキュレーターとのセッションを通して、美術館における展覧会の準備そのものや、準備記録作成の意義について考察します。
活動⑤[対立と調停]ジオ・パソロジーを超えて
令和4年2月25日(金)〜3月12日(土):写真展
2月26日(土):レクチャー
シドニー在住の写真家・映像作家 金森マユの写真展覧会と映像の上映会を行い、オーストラリア日系移民についての理解や作品の理解を深めるだけでなく、展覧会や上映会の実施を通して実践的に学びます。
活動⑥[アイデンティティの揺れ]展覧会 路上芸人の時間
9月1日(水)〜14日(火):展覧会
9月11日(土):イベント
デンマーク出身のジャーナリスト、ケント・ダールの視点による、ちんどん屋を中心とした世界各地の路上芸人や大道芸人の展覧会を実施し、作家とも交流し、路上芸人についてその現実を学びます。
活動⑦[アイデンティティの揺れ]ミュージアム・オオサカを紹介する
9月18日(土)、11月6日(土)
社会に開いた新しいミュゼオロジーの探究として、「地域全体をミュージアム」と見なす「エコミュージアム」としての水都大阪(ミュージアム・オオサカ)を、レクチャーを通して学んだ受講生が案内します。
活動⑧[アイデンティティの揺れ]アート・リング
〜アートのエコシステムへのいざない〜
11月27日(土)
アーティスト、サイエンティストたちが産みだすアートは、教育・社会そして経済とつながり、次世代の文化の創生へと帰結します。有識者との交流を通し、次世代の文化創生について考えます。
活動⑨[物語の領分]『みんぱく』でモノと遊ぶ。
10月16日(土)
日本有数の民具コレクションをつくりあげた油谷滿夫氏とその活動を紹介し、「用の美」のみでは語れない「遊び」の要素について理解を深めます。その上で、国立民族学博物館の民族・民俗資料を用いた中村裕太によるワークショップを行います。
活動⑩[物語の領分]「陶塤」の制作・演奏・パフォーマンス
9月25日(土) 、10月30日(土)
京丹後市・ヒカリ美術館の協力を得、「陶塤」の制作と演奏を行うサウンドアーティスト鈴木昭男と土笛の制作と演奏を行い、地方でのパフォーマンス活動に取り組み、アートの場を作る行為を経験します。
活動⑪[物語の領分]バックステージツアー
「ラヴェルが幻視したウィンナ・ワルツを辿る」
8月28日(土)、10月2日(土)
京都コンサートホールで計画されているコンサートについて、その企画から実現にいたるプロセスを辿り、公演にも参加することで、演奏会のバックグラウンド/バックステージを体験することを目指します。
[フェーズC]受講生企画
活動⑫[受講生企画]アーツ・プラクシス
8月〜令和4年3月
受講生が主体となって、様々なジャンルのアートイベントを実施します。事業担当者のサポートのもと、企画の立案、作家の選定、イベント運営、記録作成等、アートイベントの実施に必要な様々に受講生が携わります。
受講生 募集要項
令和3年度の本プログラムに参加し、文化芸術の企画・運営を学ぶ受講生を募集します。
応募希望の方は以下の<募集要項>をご確認の上、応募フォームもしくは、E-mailにてご応募ください。
・応募フォームにてご応募の方→ 以下の応募フォームをご利用ください。
・E-mailにてご応募の方→ 提出書類❶❷を添付の上、tyamazaki@let.osaka-u.ac.jpまでE-mailにてお送りください。
募集要項
応募資格 | 次の❶❷の両方を満たす方。 ❶18歳以上。演劇、音楽、美術、パフォーマンスなど芸術全般に興味があり、芸術関連諸機関等に在勤、あるいはこれらの職種への勤務を希望している方、もしくは自身で既に活動を始めており、さらに学びたい方。 ❷自宅等において、常時WiFi環境にあるなど、ネットワーク環境が確保できており、オンラインでの受講が可能な方。 *年間プログラム終了後、修了者には修了証を授与 |
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定 員 | 15名程度 |
受講料 | 無料 |
応募締切 | 2021年7月5日(月)12時(正午)まで |
選考方法 | 書類による選考 |
選考結果 | メールもしくは電話にて応募者全員に通知します。 |
提出書類 |
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※いただいた個人情報は本プログラムのため以外には使用いたしません。
お問い合わせ 大阪大学文学研究科 アート・プラクシス人材育成プログラム事務局まで、
E-mail(tyamazaki@let.osaka-u.ac.jp)にてお問い合わせください。
応募フォーム
事業実施体制
- 主催:大阪大学大学院文学研究科
- 共催:大阪大学総合学術博物館
- 連携:あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
- 大阪中之島美術館
- 淨るりシアター
- 公益財団法人 吹田市文化振興事業団(メイシアター)
- 豊中市都市活力部文化芸術課
- 兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター)
- 公益財団法人 箕面市メイプル文化財団
- 助成:令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」
- 協力:大阪市立東洋陶磁美術館
- 京都コンサートホール(公益財団法人 京都市音楽芸術文化振興財団)
事業担当者
- 永田 靖
- 大阪大学大学院文学研究科
大阪大学総合学術博物館(事業推進者) - 伊東 信宏
- 大阪大学大学院文学研究科(事業推進者)
- 渡辺 浩司
- 大阪大学大学院文学研究科
- 橋爪 節也
- 大阪大学総合学術博物館
- 岡田 裕成
- 大阪大学大学院文学研究科
- 高安 啓介
- 大阪大学大学院文学研究科
- 古後奈緒子
- 大阪大学大学院文学研究科
- 鈴木 聖子
- 大阪大学大学院文学研究科
- 伊藤 謙
- 大阪大学総合学術博物館
- 横田 洋
- 大阪大学総合学術博物館
大阪大学大学院文学研究科 - 山﨑 達哉
- 大阪大学大学院文学研究科・事務局
- 濱村 和恵
- デザイン